日本の城がわかる事典 「八代城」の解説 やつしろじょう【八代城】 熊本県八代市にあった城で、中世の古麓(ふるふもと)城、安土桃山時代の麦島城、江戸時代の松江城(現八代城趾)に分かれる。古麓城は山城(やまじろ)、麦島城と松江城は平城(ひらじろ)である。1619年(元和5)の大地震で麦島城が崩壊したため、熊本藩主加藤忠広が家老の加藤正方に命じて新たに築いた城である。本丸の東側にある欄干橋には、築城時の年号「元和八年」を刻んだ擬宝珠(ぎぼし)が残っており、石垣には八代産(白島)の石灰岩が用いられ、別名白鷺城とも呼ばれている。1632年(寛永9)、細川三斎(忠興)が入城、さらに1646年(正保3)に松井興長(おきなが)が入城して以来、1870年(明治3)の廃城まで松井家が在城した。現在は、江戸期の城趾に八代宮がある。JR鹿児島本線八代駅からバス。 出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報