デジタル大辞泉 「擬宝珠」の意味・読み・例文・類語
ぎ‐ぼうし【擬宝▽珠】
1 「ぎぼし(擬宝珠)1」に同じ。
2 キジカクシ科ギボウシ属の多年草の総称。山地に生え、葉は根際から群がり出る。夏、花茎の上部に紫色または白色の漏斗状の花を総状につける。日本から中国にかけて分布。オオバギボウシ・コバギボウシなどがあり、園芸品種は多い。ぎぼし。《季 夏》
主として橋や縁(えん)の高欄(こうらん),親柱上端などにかぶせてある覆いで,〈ぎぼうしゅ〉ともいう。上部は宝珠(ほうじゆ)形につくり,装飾と柱木口の傷みを防ぐ機能を兼ねたものである。屋根の頂上や刹柱先端のものは〈宝珠〉で,高欄のものを〈擬宝珠〉という。ネギ花に形が似ているので〈葱台(そうだい)〉とも呼ばれ,〈木法師〉とした例もある。高欄に用いた例は古く漢代の画像石,敦煌の浄土変壁画にもみられる。蓮のつぼみ形のものもある。伊勢神宮正殿の五色の居玉(すえだま)は古い形を伝えている。材質には金属,木,瓦があり,平城京二条大路の橋跡から8世紀の瓦製擬宝珠が発見されている。古いものは宝珠部分が小さく,年代が下がると大きくなる。
執筆者:沢村 仁
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
高欄(こうらん)の親柱(おやばしら)の頂部につく宝珠(ほうしゅ)形の装飾。頂部を削り整えたものや、青銅製または鉄製の金物をかぶせたものがある。宝珠、欠首(かきくび)、胴からなる。仏典では、宝珠は海底に住む竜王の頭から出現したもので、毒に侵されず火にも燃えない霊妙なものとし、それを擬したものが擬宝珠である。擬宝珠に金属製のものが多いのは、親柱頂部が雨水で腐朽するのを防ぐためにかぶせたからである。
[工藤圭章]
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出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…上部は宝珠(ほうじゆ)形につくり,装飾と柱木口の傷みを防ぐ機能を兼ねたものである。屋根の頂上や刹柱先端のものは〈宝珠〉で,高欄のものを〈擬宝珠〉という。ネギ花に形が似ているので〈葱台(そうだい)〉とも呼ばれ,〈木法師〉とした例もある。…
※「擬宝珠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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