八堂山遺跡(読み)はちどうさんいせき

日本歴史地名大系 「八堂山遺跡」の解説

八堂山遺跡
はちどうさんいせき

[現在地名]西条市福武

加茂かも川が石鎚いしづち山地から西条平野に流入する地点東岸にそびえる標高一九六メートルの山頂にある弥生時代中期後半―後期中葉の高地性遺跡。住居跡三、円形倉庫跡一、集石遺構二ヵ所と配石遺構一ヵ所とからなり、一部住居跡の上に円形倉庫跡、その上に集石遺構が重なっている特異な遺跡である。土師器を並列した遺構などから、祭祀的特徴をもち、それも南方に高くそびえる霊峰石鎚に対する礼拝所としての意味をもっていたと思われる(→石鎚山

この山が信仰のほか戦略的拠点として重要な意味をもっていたことは、暦応元年(一三三八)鳥生貞実軍忠状に「九月廿日御発向西条庄、追籠凶徒於郷得重両城、取陣福武山、致軍忠」とあり、八堂山を含む福武ふくたけ山の南北朝期西条庄支配に対する軍事的役割が知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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