八林郷(読み)やつばやしごう

日本歴史地名大系 「八林郷」の解説

八林郷
やつばやしごう

現川島町上八ッ林・下八ッ林を遺称地とし、両所を中心とした越辺おつぺ川の左岸一帯に比定される。応安六年(一三七三)四月五日の細川頼之施行状(上杉家文書)に「武蔵国八林郷等」とみえ、管領細川頼之は将軍足利義満の命により、当郷などの替地不足分として、伊豆国大見おおみ(現静岡県中伊豆町)などを上杉能憲に与えている。応永二年(一三九五)七月二四日、義満は上杉憲方跡の所領を上杉憲定安堵(「足利義満御判御教書」同文書)、翌年七月二三日斯波義将施行状(同文書)によれば、憲方跡の所領のなかには当郷も含まれていた。享徳二年(一四五三)四月一〇日の十郎三郎目安案(鑁阿寺文書)によれば、この頃下野鑁阿ばんな(現栃木県足利市)戸守ともり郷と当郷・尾美野おみの郷との間で用水をめぐる相論が展開していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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