六方格子(読み)ろっぽうこうし(その他表記)hexagonal lattice

日本大百科全書(ニッポニカ) 「六方格子」の意味・わかりやすい解説

六方格子
ろっぽうこうし
hexagonal lattice

結晶構造の表現のために、空間格子ブラベ格子に従って分類する型の一つ。単位格子abcαβ=90゜,γ=120゜の菱方柱(りょうほうちゅう)の形に設定され、最低の対称要素としてc軸に沿う6回軸の存在が要求される。菱方柱の単位格子からは6回軸の存在はわかりにくいが、もっとも簡単な6回対称のモデルはのような正六角形を敷き詰めた形になる。この平面を単位格子のab面と平行な面であるとすると、6回軸はab面となる菱形面の一方の正三角形部分の中心を通る。に見られる正六角形の対称は、この菱方柱単位格子の設定によって必然的に与えられる。

 三方格子の単位格子も六方格子のものと同じ形になるが、三方格子ではその軸が3回軸となる。

[岩本振武 2015年8月19日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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