六田の渡(読み)むだのわたし

日本歴史地名大系 「六田の渡」の解説

六田の渡
むだのわたし

[現在地名]吉野町大字六田、大淀町大字北六田

やなぎの渡ともいう。六田と北六田をつなぐ吉野川の渡津。大正八年(一九一九)美吉野みよしの橋が架かるまで、奈良盆地から吉野山への往還要衝であり、また大峯七十五なびき行場として吉野川三渡津の一。「聖宝僧正伝」(醍醐寺蔵)に「金峯山要路吉野川辺設船、申置渡子謡了六人」とあり、「元亨釈書」にも聖宝が開いた渡しとある。寛保二年(一七四二)一二月の売渡申柳之渡船番之事(橋本家文書)に、渡船は村内の一部の者が株式によって権利と義務をもっていたことを示し、その権利を売買している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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