元亨釈書(読み)げんこうしゃくしょ

日本大百科全書(ニッポニカ)「元亨釈書」の解説

元亨釈書
げんこうしゃくしょ

鎌倉末期に成立した日本仏教史書。虎関師錬(こかんしれん)。30巻。総合的僧としては日本最初のもので、紀伝体の歴史書としても最初のものである。内容は、伝(僧伝)、表(資治表=年表)、(仏教文化誌)の3部分からなり、巻19までの僧伝は、中国の高僧伝に倣って10科に分類する。1307年(徳治2)一山一寧(いっさんいちねい)に日本仏教についての無知を指摘されて発憤し、22年(元亨2)に完成した。虎関の後、入蔵(にゅうぞう)(大蔵経編入)が勅許され、64年(正平19・貞治3)より14年を費やし刊行された。注釈書に『和解(わげ)』『便蒙(べんもう)』『微考』などがある。

[石川力山]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「元亨釈書」の解説

元亨釈書
げんこうしゃくしょ

鎌倉時代末期の仏教史書。 30巻。虎関師錬 (こかんしれん) 著。元亨2 (1322) 年成立。仏教の伝来から鎌倉時代末期まで 700年間の仏教史で,内容は『史記』によって伝 (巻1~19) ,資治表 (巻 20~26) ,志 (巻 27~30) の3部から成り,伝はや論を付す。伝は中国の高僧伝を規範とする。日本最初の通史的僧伝として仏教史上価値が高く,また禅僧思想を知るうえに貴重であるが,親鸞を除き道元を軽視するなど,多少の偏見があることがすでに指摘されている。『国史大系』所収。

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百科事典マイペディア「元亨釈書」の解説

元亨釈書【げんこうしゃくしょ】

鎌倉時代に作られた,日本で初めての仏教史書。30巻。1322年(元亨2年)虎関師錬(こかんしれん)編著。3部からなり,僧伝の部では400人余の伝記を,資治表(しじひょう)の部では仏教伝来後683年間の史実を,志の部では学修など10項目にわたる事項を収録する。宗性(そうしょう)の《日本高僧伝要文抄》が僧伝資料を集めたものであるのに対し,これは最初の僧伝として重要。
→関連項目唱導台密本朝高僧伝

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旺文社日本史事典 三訂版「元亨釈書」の解説

元亨釈書
げんこうしゃくしょ

鎌倉後期,虎関師錬 (こかんしれん) の著した日本最初の仏教史書
1322年刊。30巻。中国の『仏祖歴代通載』『仏祖統記』などにならい,400余人の日本の高僧の伝記や史実をまとめたもの。

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デジタル大辞泉「元亨釈書」の解説

げんこうしゃくしょ〔ゲンカウシヤクシヨ〕【元亨釈書】

鎌倉後期の仏教書。30巻。目録1巻。虎関師錬こかんしれん著。元亨2年(1322)成立。仏教渡来から700年間の高僧四百余名の伝記と史実を漢文体で記したもの。

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精選版 日本国語大辞典「元亨釈書」の解説

げんこうしゃくしょ ゲンカウ‥【元亨釈書】

虎関師錬の著。三〇巻。元亨二年(一三二二撰述。仏教の伝来から当時までの七百有余年間における高僧の伝記や史実などを記した一種の高僧伝。

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世界大百科事典 第2版「元亨釈書」の解説

げんこうしゃくしょ【元亨釈書】

鎌倉時代末の日本仏教史の書。30巻。虎関師錬著。師錬は初期の五山文学を代表する詩僧で,東福寺,南禅寺などの住持をつとめた。1307年(徳治2),29歳の年に,来日した一山一寧禅した際,中国の事のみくわしく,自国の事に無知であることをとがめられた。発憤した師錬は以後刻苦勉励すること15年,1322年(元亨2)に,《元亨釈書》と題する日本仏教史を完成させて後醍醐天皇に上呈した。中国の高僧伝と同じく30巻から成るが,単なる僧伝集にとどまらず,《史記》以来の正史にならって,全体を伝(巻一~十九),資治表(巻二十~二十六),志(巻二十七~三十)の三部編成としている。

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