朝日日本歴史人物事典 「飛鳥井雅章」の解説
飛鳥井雅章
生年:慶長16.3.1(1611.4.13)
江戸前期の公家。権大納言飛鳥井雅庸の3男。初め雅昭。寛永20(1643)年参議,慶安2(1649)年権中納言,承応1(1652)年権大納言。同3年から4年まで賀茂伝奏,寛文1(1661)年から10年まで武家伝奏と歴任し,延宝5(1677)年従一位に叙せらる。家職としての和歌に通じ,後水尾上皇から次代の中心的指導者として期待された。明暦3(1657)年には,岩倉具起,尭然法親王,道晃法親王と共に古今伝授(御所伝授)を受け,禁中における後水尾上皇の古典講釈の聞書『後水尾院御仰和歌聞書』『飛鳥井雅章卿聞書』などを残している。歌集『飛鳥井雅章三十首和歌』,歌論『詠歌金玉論』のほか『蹴鞠之記』『芳野紀行』などの著作がある。<参考文献>近世堂上和歌論集刊行会編『近世堂上和歌論集』
(母利美和)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報