兵主神(読み)ひょうすのかみ

精選版 日本国語大辞典 「兵主神」の意味・読み・例文・類語

ひょうす‐の‐かみヒャウス‥【兵主神】

  1. 武をつかさどる神。「史記‐封禅書」に「兵主、祠蚩尤」とある。もともとは中国の神。日本では兵主神社祭神をさし、大己貴命(おおなむちのみこと)素戔嗚尊(すさのおのみこと)などがある。

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朝日日本歴史人物事典 「兵主神」の解説

兵主神

武神,軍神として,各地にある兵主神社に祭られる神。実際に祭られるのは大貴己神,素戔嗚尊などの神だが,兵主神の名は『古事記』『日本書紀』にまったく登場せず,『日本三代実録』(901年成立)にみえる例が最初であること,『史記』封禅書に載せる諸神の中に「兵主」という神がみえることなどから,これは日本固有の神ではなく中国の「兵主」に由来する外来神ではないか,とする説もある。また,『延喜式』神名帳には19の兵主神社が出ているが,但馬国(兵庫県北部)にある7社を中心にして,山陰地方に集中することが指摘されている。

(佐佐木隆)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「兵主神」の解説

兵主神 ひょうずのかみ

兵主神社にまつられる神。
弓矢をつかさどる軍神とされる。実際にまつられているのは大己貴命(おおなむちのみこと)(大国主神)や素戔嗚尊(すさのおのみこと)などで,兵庫県日高町・黒田庄町春日町などの兵主神社が知られる。「史記」の封禅書にみえる8神のなかの1神であることから,日本古来の神ではなく,外来の神とする説もある。

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