精選版 日本国語大辞典 「大己貴命」の意味・読み・例文・類語
おおあなむち‐の‐みことおほあなむち‥【大己貴命】
- 「日本書紀」が設定した国の神の首魁(しゅかい)。「古事記」では大国主神(おおくにぬしのかみ)の一名とされる。「出雲風土記」には国土創造神として見え、また「播磨風土記」、伊予・尾張・伊豆・土佐各国風土記の逸文、また「万葉集」などに散見する。後世、「大国」が「大黒」に通じるところから、俗に、大黒天(だいこくてん)の異称ともされた。大穴牟遅神(おおあなむぢのかみ)。大汝神(おほなむぢのかみ)。大穴持命(おほあなもちのみこと)。
- [初出の実例]「素戔嗚尊、妃と為たまひて生ませたまへる児の六世の孫、是を大己貴命(オホアナムチのみこと)と曰す〈大己貴、此をば於褒婀娜武智と云ふ〉」(出典:日本書紀(720)神代上)