兵粮奉行(読み)ひょうろうぶぎょう

精選版 日本国語大辞典 「兵粮奉行」の意味・読み・例文・類語

ひょうろう‐ぶぎょうヒャウラウブギャウ【兵粮奉行】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 戦国時代出陣に際し臨時においた職。兵粮の管理・支給などをつかさどったもの。
    1. [初出の実例]「増田右衛門長盛為兵粮奉行、紀湊置之、一日八木千俵、大豆百俵、相渡者也」(出典:紀州御発向之事(1585頃))
    2. [その他の文献]〔羅葡日辞書(1595)〕
  3. 食糧または生活費のすべてをまかなう人を職名にたとえていう。
    1. [初出の実例]「金の入用がある時は、〈略〉此新五に兵粮奉行を勤めさして呉れる様にと」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の兵粮奉行の言及

【兵粮(兵糧)】より

…またこれと並行して,在来の幕府レベルでは財政一般を担う蔵奉行の職務内にあり,守護・武士のレベルでは賦課徴集一般を担う者の兼務であった兵粮徴集・分配の仕事が独立する。すなわち織田・豊臣政権においては兵粮奉行,諸大名レベルでは小荷駄奉行という固有の役職として成立し,近世の兵粮徴集体系の原型となった。これら一連の変化の背後には,戦国時代に百姓をも足軽として編成し,長期にわたって外戦を行う,より大規模かつ質的に新しい戦闘形態が,貨幣経済の進展や鉄砲の導入などと結びついて成立してきたという事情が考えられる。…

※「兵粮奉行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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