其倉村
そのくらむら
[現在地名]一志町其倉
雲出川中流北岸にあり、石橋村の北東、庄田村(現久居市)の西南に接し、東は雲出川を隔てて高野村に対する。山地に囲まれた小村落である。建長二年(一二五〇)一一月の九条道家惣処分状(九条家文書)に、京都東福寺の院領に伊勢国薗倉庄がみえ、当地と思われる。文禄検地帳を転記したと思われる伊勢国中御検地高帳には大仰・石橋・其倉三村にまとめられた村高で記載されている。近世は慶長一三年(一六〇八)以降津藩領、寛文九年(一六六九)以降は久居藩領。慶安郷帳(明大刑博蔵)には田方は水損所の注記がみえる。寛延年中(一七四八―五一)家数三六、人数一五七、馬一〇で、神祠に井津社、寺に安能寺がある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報