朝日日本歴史人物事典 「内山彦次郎」の解説
内山彦次郎
生年:生年不詳
幕末の大坂西町奉行与力。天保改革のとき,大坂町奉行阿部正蔵に命じられて諸色取締方を調査する。阿部は株仲間解散に反対したが,この調査はその根拠になったものと思われる。そのなかで諸藩専売の禁止,物資の値待〆売(物質を買い占め,値上りを待って高値で売ること)禁止の諸策は実行に移された。大塩平八郎の建議書では西町奉行所与力非法の筆頭に挙げ,極悪非道の盗賊と結託したと,内山を激しく糾弾している。内山も大塩の捕縛の際に殺してしまうことを強く主張し,生け捕りとなって証言されるのを恐れている。安政5(1858)年の箱館産物会所の掛就任,文久1(1861)年の融通貸付会所の設立建議,御用金の調達など理財に敏腕を発揮したが,天満橋の上で新選組に暗殺された。
(針谷武志)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報