内裏儀式内裏式(読み)だいりぎしきだいりしき

改訂新版 世界大百科事典 「内裏儀式内裏式」の意味・わかりやすい解説

内裏儀式・内裏式 (だいりぎしきだいりしき)

平安初期の宮中儀式書。《本朝法家文書目録》には〈内裏儀式一巻〉〈内裏式三巻〉とあるが,現在は両書とも残欠本しかない。その目録と現行本および逸文を総合してみると,《内裏儀式》を基に補正したものが《内裏式》かと思われるが,後世両書を混同している例も少なくない。現行本《内裏式》の序と跋によると,これは嵯峨天皇詔命により右大臣藤原冬嗣らが821年(弘仁12)に修定し,ついで833年(天長10)右大臣清原夏野らが現状に即して部分改訂したもので,さらに現行本の一部に承和年間(834-848)の加注もある。《内裏式》の概要は,序文に〈元正より季冬に訖る常に履行する所(恒例年中行事)及び臨時の軍国諸大小事,類を以て区分す〉とみえる。日本最古の勅撰儀式書で,宮中では儀式のさい式筥に納めて天皇の脇に置く例であった。《新訂増補故実叢書》所収。《群書類従》《神道大系》は《内裏式》のみ所収。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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