内部指向型(読み)ないぶしこうがた(その他表記)inner-directed type

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「内部指向型」の意味・わかりやすい解説

内部指向型
ないぶしこうがた
inner-directed type

アメリカの社会学者 D.リースマンが『孤独なる群集』 (1950) で使用した社会的性格と社会の一類型概念。過渡的人口成長期の社会に特有のもので,成員流動性増大資本の急速な蓄積と拡大された社会にみられる。内部指向型の社会における個人はその性格も内部指向型で,自己に設定された生活目標への指向と,外的条件からの衝撃との間のバランスをとるための心理的メカニズムを自分で発見し適応していく。リースマンはこの心理的メカニズムを「心理的ジャイロスコープ (羅針盤) 」と呼んでいる。社会的に逸脱を防ぐ機能が働くとすれば,それは「罪」の意識に問うことである。こうした内部指向型の社会的性格は,プロテスタント倫理をなんらかの形で社会的生活の基盤とするところに多いとされ,とりわけアメリカ社会のなかにこうした型の人間が多いとされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android