逸脱(読み)いつだつ

精選版 日本国語大辞典「逸脱」の解説

いつ‐だつ【逸脱】

〘名〙
① 必要な物事を、誤って抜かすこと。また、抜けること。
閑談の閑談(1933)〈吉野作造〉三「秘密出版なだけ誤脱多く、続けざまに数行を逸脱して、意味の通ぜぬ部分も二三ヶ所ある」
② 本来の意味や目的からはずれること。決められた範囲からはみ出すこと。
帰郷(1948)〈大仏次郎〉再会「命令を逸脱してをったのぢゃないか」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典 第2版「逸脱」の解説

いつだつ【逸脱 deviance】

一定規格からの偏倚を総称して逸脱という。したがって,単に統計的な意味で出現頻度のごく少ない現象をそう呼ぶこともできるが,一般には,その上になんらかの道徳的判断が加わり,ルールから外れた望ましくない行動ないし態度を指して,逸脱ということが多い。当初学問の世界でこの言葉が採用された事情は別であった。異常違反病理など,どう呼んでも一般世人の常識ないし偏見に影響される現象について,より科学的な,あるいはより公平な態度でのぞむべく,学問的要請にこたえて採用された言葉であった。

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