一つの数,変数,式,または関数を何回か掛けた積を,もとの数,変数,式,関数のべき,あるいは累乗という。x×x,x×x×x,……を,それぞれx2,x3,……で表し,xの2乗,xの3乗,……という。右肩の数字は,何回同じものを掛けたかを表し,これをべき指数と呼ぶ。なお,2乗のことを自乗,または平方,3乗のことを立方ともいう。
数,変数,式,または関数x,yと自然数m,nについて,次が成り立つ。
xm×xn=xm⁺n
(xm)n=xmn
(x×y)n=xn×yn
(x÷y)n=xn÷yn
ここで,自然数nについてで表すと,べき指数,指数法則は整数まで拡張される。また,aが正の数のとき,aのn乗根n\(\sqrt{a}\)をa1/nで表すと,aのn乗根のm乗,あるいはaのm乗のn乗根はam/nと表され,べき指数は有理数まで拡張される。さらに極限を考えることにより,べき指数は実数まで拡張され,x,yが正の数,m,nが実数のとき,指数法則が同じ形で成り立つ。
執筆者:西村 純一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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