化学辞典 第2版 「凝集法」の解説
凝集法
ギョウシュウホウ
condensation method
気相あるいは液相の均一分子分散状態からコロイド分散状態を得る方法をいう.蒸気相から霧を発生させたり,溶液から不溶性の微粒子を生成する過程に用いられる.微小粒子の蒸気圧や溶解度は大きいので,過冷却や過飽和状態になりやすいが,イオンや微小粒子が存在すると,これが凝集核となって凝集が促進される.ウィルソン(Wilson)の霧箱はこの現象を利用して,原子核反応に伴う帯電性粒子の発生を検出する装置である.P.P. von Weimarnは,多くの沈殿反応において析出する粒子の大きさが濃度が高いほど小さくなる傾向(沈殿の法則)を発見し,濃度を適当に選べば原理的にコロイド分散状態が得られることを示し,C.W.W. Ostwald(オストワルト)のコロイド分散状態論に裏付けを与えた(1907年).ただし,この方法だけでは,できたコロイド状態が持続されるとは限らず,沈殿が成長するのが通例である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報