日本歴史地名大系 「出流原村」の解説 出流原村いずるはらむら 栃木県:佐野市出流原村[現在地名]佐野市出流原町彦間(ひこま)川が旗(はた)川に合流する右岸に位置する。北部に足尾(あしお)山地南縁部の磯(いそ)山があり、その南麓の湧水池(弁天池)の水を加えた出流川が西部を南流する。南東は石塚(いしづか)村。足利庄涌釜(わくがま)郷を字磯山(いそやま)の涌釜神社の所在から当地に比定する説がある。康永三年(一三四四)一二月日の鑁阿寺雑掌申状写(鑁阿寺文書)によると、足利庄と「涌釜・小曾根・木戸郷々地頭等」が鑁阿(ばんな)寺(現足利市)の正月修正壇供餅などを無沙汰したため雑掌に訴えられている。嘉吉二年(一四四二)六月八日の鑁阿寺仏事銭請取状案(同文書)では涌釜郷が「惣領方・和田方・御寄進方」に分れており、仏事銭を六月八日に別々に受取ることが定められていた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報