足尾(読み)アシオ

デジタル大辞泉 「足尾」の意味・読み・例文・類語

あしお〔あしを〕【足尾】

栃木県西部上都賀郡にあった町。平成18年(2006)3月、今市市・栗山村藤原町とともに日光市合併。→日光

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精選版 日本国語大辞典 「足尾」の意味・読み・例文・類語

あしおあしを【足尾】

  1. 栃木県西部の地名。渡良瀬(わたらせ)川に沿い、足尾銅山とともに発展した鉱山町

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「足尾」の意味・わかりやすい解説

足尾
あしお

栃木県西部、上都賀郡(かみつがぐん)にあった旧町名(足尾町(まち))。現在は日光市(にっこうし)の南西部に位置する地域。旧足尾町は1889年(明治22)町制施行。2006年(平成18)日光市に合併。周囲を山地に囲まれ、中央に備前楯(びぜんたて)山(1273メートル)、西に庚申山(こうしんざん)(1901メートル)、皇海山(すかいさん)(2144メートル)などがそびえる。中心集落は、赤倉から通洞(つうどう)の間の渡良瀬川(わたらせがわ)沿いの狭い河岸段丘上にある。わたらせ渓谷鉄道が間藤(まとう)駅に達し、国道122号が日足(にっそく)トンネル(1978年開通)を経て日光に通じる。1611年(慶長16)足尾銅山採掘が始まり、1877年(明治10)以降は、古河(ふるかわ)鉱業(現、古河機械金属)の主要銅山の鉱山町として発展し、1916年(大正5)ごろには、人口約3万8000を数えたが、以後人口はしだいに減少した。1973年(昭和48)に閉山となり、輸入鉱石による精錬は続いているものの、人口は急減している。銅山閉山後は企業誘致により、食料品、弱電関連などの工場が進出している。煙害のためはげ山となった周辺山地は近年回復しつつあり、登山コースの開発、銅山観光により鉱山町からの脱皮が図られている。庚申山はコウシンソウの自生地(国の特別天然記念物)で、東麓(とうろく)の銀山平(ぎんざんだいら)にはキャンプ場がある。庚申山から皇海山一帯は日光国立公園、南東部の勝雲山、地蔵岳一帯は前日光県立自然公園に含まれる。

[櫻井明久]


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百科事典マイペディア 「足尾」の意味・わかりやすい解説

足尾[町]【あしお】

栃木県西部,上都賀(かみつが)郡の旧町。足尾銅山を中心に発達した鉱山町。全町山地で,渡良瀬(わたらせ)川上流にわたらせ渓谷鉄道が通じる。銅山は1610年発見,江戸時代は銅山奉行が直轄,1661年―1687年最盛期を迎え,1684年には銅40万貫を産出。明治以後古河市兵衛が譲り受け,近代的な採鉱・製錬法の採用などにより全国産銅の4割を占める大銅山となった。しかし,生産増大に伴い鉱毒が流出,足尾鉱毒事件をひき起こした。1968年には月産銅量500t,製錬量は輸入鉱,国内鉱を含め月産3000tであったが,1973年閉山,360年にわたる歴史の幕を閉じた。鉱山跡は荒涼とした景観を呈し,製錬所は輸入鉱の製錬を行っているが,人口も激減した。西部の皇海山(すかいさん),庚申山(こうしんざん)は日光国立公園に属する。2006年3月今市市,塩谷郡藤原町,栗山村と日光市へ編入。185.79km2。3521人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「足尾」の意味・わかりやすい解説

足尾
あしお

栃木県北西部,日光市南西部の旧町域。渡良瀬川上流域に位置する。 1889年町制。 2006年日光市,今市市,藤原町,栗山村と合体して日光市となった。慶長 15 (1610) 年に発見された足尾銅山とともに発達した鉱山町。中心地区は渡良瀬川の河岸段丘上にあり,住民の大半が直接・間接的に製銅事業に関係していた。 1973年に銅山が閉山されるに伴い,人口も急激に減少。精錬工場のみが規模を縮小して残った。長年の煙害のため銅山の周囲の山々ははげ山となったが,緑化工事や砂防ダム工事が進んでいる。閉山に伴い,鉱滓を原料とする窯業および観光開発に力を入れている。庚申山周辺や古峰原は登山,ハイキング,キャンプに適する。庚申山には国の特別天然記念物のコウシンソウ (庚申草)自生地がある。一部は日光国立公園前日光県立自然公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「足尾」の意味・わかりやすい解説

足尾 (あしお)

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