出生力(読み)しゅっしょうりょく(その他表記)fertility

翻訳|fertility

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「出生力」の意味・わかりやすい解説

出生力
しゅっしょうりょく
fertility

生物としての人間が最大限何人の子供を産めるかという意味の妊孕 (にんよう) 力 fecundityとは異なり,実際にある時点において女子が生産児 (死産児に対する) を産んでいる状態ないし構造を示す用語として用いられる。しかし,人口統計上これを直接知ることはできない。最も単純な出生力の指標としては粗出生率がある。これは人口千人あたりの1年間の出生数 (死産は含まない) を示す。したがって,性別,年齢,未既婚別人口構成の違いによって大きく変動し,出生に寄与する再生産年齢 (一般に 15~49歳とされる) の有配偶女子人口の出生力を十分に示すものではない。そこで,実質的で正確な出生力を示す指標として,母の年齢別特殊出生率や出生順位別特殊出生率などの特殊出生率が用いられている。

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