出羽仙台街道中山越(読み)でわせんだいかいどうなかやまごえ

国指定史跡ガイド 「出羽仙台街道中山越」の解説

でわせんだいかいどうなかやまごえ【出羽仙台街道中山越】


山形県最上郡最上町と宮城県大崎市にまたがる街道遺跡。奥州街道から分かれて出羽国に通ずる峠越えの一つで、江合(えあい)川の北岸沿いに、現在の国道47号・JR陸羽東線と並行して走る。奥州街道吉岡宿(宮城県黒川郡大和町)から分岐し、中新田(加美郡加美町)、岩出山(大崎市)、鳴子(同)、境田(山形県最上郡最上町)を経て、羽州舟形(同郡舟形町)に通じる街道のうち、大崎市鳴子温泉から最上町堺田の全延長4.2kmが1990年(平成2)に国の史跡に指定。街道は参勤交代路ではなかったが、文化文政年間(1804~29年)以後沿道の鳴子が湯治場として利用され、周辺では銅山開発が行われたこともあって賑わいをみせた。街道の宿駅の一つである尿前(しとまえ)(大崎市)には、伊達藩の番所が置かれ、現在その屋敷跡が確認されている。1689年(元禄2)、松尾芭蕉(ばしょう)は、平泉(岩手県平泉町)から引き返し、出羽の尾花沢(山形県尾花沢市)に出るためこの街道を通り、岩手山に一泊、鳴子、尿前関を通過したという。JR陸羽東線鳴子温泉駅から徒歩約20分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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