改訂新版 世界大百科事典 「出雲国造神賀詞」の意味・わかりやすい解説
出雲国造神賀詞 (いずものくにのみやつこのかむよごと)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…しかし6世紀後半から,まず出雲西部に,ついで意宇平野の東にもヤマト朝廷の制圧が及んでくると,服属して出雲国造とされた。服属のようすは,《出雲国造神賀詞(かむよごと)》にみられるように,出雲国内186社の神々の総意を代表するかたちをとり,大穴持命(おおなもちのみこと)の和魂(にぎたま)を三輪山・葛城山・飛鳥おのおのの神奈備と雲梯(うなて)神社の地に〈皇孫命(すめみまのみこと)の近き守り神〉として鎮座させ,祝いの神宝の品々を献上するというかたちをとっていた。このあと,出雲氏,姓は臣を名のるようになった出雲国造は,采女(うねめ)・トネリを都へ送り,出雲国内に屯倉(みやけ)の設置や各種の部民(べみん)の措定をすすめ,旧領域下に評(こおり∥ひよう)制の施行も認めるようになった。…
…つまり国譲り神話は各地の首長たちが朝廷へと服属していった歴史的過程を一回的に典型化して,その由来を語ったものなのである。そしてこの神話を儀礼として表現したものが《出雲国造神賀詞(いずものくにのみやつこのかむよごと)》の奏上であった(《延喜式》)。これは出雲国造が代替りごとに宮廷に参上して寿詞(よごと)を述べ,諸々の国造の総代として,朝廷への服属を誓う儀式であった。…
※「出雲国造神賀詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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