分巻直流機(読み)ぶんまきちょくりゅうき(その他表記)shunt wound DC machine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「分巻直流機」の意味・わかりやすい解説

分巻直流機
ぶんまきちょくりゅうき
shunt wound DC machine

巻線界磁の直流機において電機子巻線と界磁巻線回路を並列接続したもの。「ぶんけんちょくりゅうき」とも読む。分巻直流発電機の場合、界磁電流の電源が発電機自身の電機子の電力を利用できるため、励磁を行う電源を備える必要がない。これを自己励磁という。分巻電動機の場合、界磁巻線回路に直列に抵抗器を入れることにより界磁電流を制御できる。制御により界磁電流を一定に保てば、電動機の負荷が変化したときの速度の変化は比較的少ない。これを分巻特性とよぶ。

 また、電機子巻線回路に直列に抵抗を入れ、始動時に過大電流が流れるのを防ぎ、速度が上昇するにしたがい抵抗値を減らし、最終的にはゼロにする。このような、始動抵抗と、その抵抗値を加減する機構を備えた装置始動器という。交流電動機をパワーエレクトロニクスにより駆動することが一般的になったため、分巻直流機はあまり使われなくなった。

[森本雅之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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