負荷(読み)フカ

デジタル大辞泉 「負荷」の意味・読み・例文・類語

ふ‐か【負荷】

任務を負うこと。また、その任務。「負荷大任
子が、父の業を受け継いでその任を果たすこと。また、その仕事。「負荷に任ず」
発生させた電気的、機械エネルギーを消費するもの。また、その消費量。真空管回路における抵抗や、機械設備が消費する動力など。

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精選版 日本国語大辞典 「負荷」の意味・読み・例文・類語

ふ‐か【負荷】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 荷をかつぐこと。負担。〔塩鉄論‐復古〕
  3. 責任や任務を負うこと。また、責任や任務を負わせること。また、その責任や任務。
    1. [初出の実例]「寵章不翅負荷之力難任」(出典:日本三代実録‐元慶六年(882)一月一九日)
    2. [その他の文献]〔論衡‐状留〕
  4. 物事を付け加えること。
    1. [初出の実例]「其れは真善美聖の価値を負荷せしめたが故に」(出典:文化哲学入門(1923)〈土田杏村〉理想主義と愛)
  5. 子が父の業を継いで、よくその任に堪えること。また、その任務。
    1. [初出の実例]「あの人の父がさる者であった官ぢゃほどに、其子をなすなんどと云ぞ。今此の心は其任にふかすると云心ぞ」(出典:史記抄(1477)一一)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐昭公七年〕
  6. 電気的、機械的エネルギーを受け取り消費するものの総称。また、その消費量。真空管回路における抵抗、電動機におけるポンプなど。

おい‐におひ‥【負荷】

  1. 〘 名詞 〙 背負っている荷物。また、背負うようにした荷。〔運歩色葉(1548)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「負荷」の意味・わかりやすい解説

負荷
ふか

電灯、テレビ、エアコン、電動機など電気を消費する機器を総称していう。発電機電源、電池など電気を発生させるものに対することばであり、需要ともよばれる。負荷は機器種別、電気的特性、供給条件などによっていろいろに分類される。機器種別では電灯負荷、電動機負荷、アーク炉負荷などに大別される。電灯負荷には白熱電灯、蛍光灯水銀灯などが含まれる。電動機負荷にはクーラー、洗濯機、冷蔵庫、ポンプ、エレベーターベルトコンベヤーなど多種多様な機器が含まれ、負荷の大半を占める。アーク炉負荷はアルミニウムなど金属製錬用のアーク炉が該当する。また、消費電力が連続的であるか断続的であるかによって連続負荷と断続負荷に分類される。前者には電灯負荷、ポンプ、ベルトコンベヤーなどが含まれるが、ほとんどは後者の断続負荷である。とくに、アーク炉負荷は消費電力の変動が大きく、かつ不規則であり、系統電圧の変動による近隣需要家の照明のちらつき(電圧フリッカー)を引き起こすので適当な設備対策が必要となる場合もある。

 さらに、サイリスタのような半導体素子を用いて電源周波数や電圧を変換したり、電動機の速度制御を行ったりする静止型変換機器、テレビなどは、負荷電流の波形がひずみ、電力系統に高調波を流出させることから高調波発生負荷とよぶこともある。流出量、系統条件などによってはコンデンサーなど機器の過熱、焼損を生じるおそれがある。

 電力系統の負荷は時間帯、季節、気候などによって時々刻々と変動するが、一般的には夏・冬に冷暖房の影響で大きく、また、1日のうちでは昼間および点灯時に大きい傾向がある。電力系統の設備はこの最大負荷に対応した容量が必要となるので、平均負荷の最大負荷に対する比率、すなわち負荷率が低いと、設備の利用率が小さくなり電気のコストが増加する。このため、電気温水器のような夜間負荷の開拓などによる負荷の平坦(へいたん)化(ロードレベリング)が進められている。

[松田高幸]

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普及版 字通 「負荷」の読み・字形・画数・意味

【負荷】ふか

負う。うけつぐ。〔抱朴子、交際〕夷險を經てを易(か)へず、(へ)て相ひする、吾(われ)未だ其の多く得べきを見ざるなり。

字通「負」の項目を見る

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改訂新版 世界大百科事典 「負荷」の意味・わかりやすい解説

負荷 (ふか)
load

工学用語。例えば扇風機を考えると,これはモーター(電動機)で羽根を回して風を起こすものであるが,モーターには羽根の回転に伴って発生する抵抗力が作用している。このように,機械においては,駆動する側(上の例ではモーター)に対して,抵抗を及ぼす駆動される側(回転中の羽根)を負荷という。駆動される側が及ぼす力や消費するエネルギーの大きさを指すこともあり,扇風機の場合は,回転数が高くなるとともに負荷も増大する。一方,このモーターに電気を送っている電源について見ると,電力(エネルギー)を消費しているのはモーターである。電気回路においては,電源に対して電力を消費する側を負荷という。また,消費側の電気抵抗や消費電力の大きさを負荷ということもある。
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百科事典マイペディア 「負荷」の意味・わかりやすい解説

負荷【ふか】

電気や機械のエネルギーを発生または変換する装置に対し,そのエネルギーを消費するもの。たとえば電気エネルギーを発生する発電機に対し,電灯や電気機器が負荷になる。→受動素子
→関連項目調速機電力量計配電盤

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「負荷」の意味・わかりやすい解説

負荷
ふか
load

電気工学では,回路や装置の出力につながり,それらの供給する電流やエネルギーを消費するものをいう。電流がまったく流れないときを無負荷,逆にその出力の許容値以上に流れるときを過負荷という。

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世界大百科事典(旧版)内の負荷の言及

【ストレス】より

…ストレスは元来は機械工学的な用語で,物体を圧縮したり引き伸ばしたりしたときにその物体に生じる〈ひずみ〉を意味するが,1936年H.セリエによってストレス学説が提唱されて以来,この語はしだいに流布し,現今では日常用語化している。その邦訳語は〈負荷〉であるが,ほとんど用いられず,外来語のまま使用されている。
[ストレス学説]
 セリエは生体が外傷,中毒,寒冷,伝染病のような異なった種類の刺激にさらされた際,刺激の性格のいかんにかかわらず,ある種の一様な反応が生じる事実に注目した。…

【荷重】より

…このほか,荷重の作用によって生ずる材料や構造物の変形により,引張荷重,圧縮荷重,曲げ荷重,ねじり荷重,せん断荷重と呼ぶこともある。なお,負荷を荷重と同義に用いる場合もある。【朝田 泰英】。…

※「負荷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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