電灯、テレビ、エアコン、電動機など電気を消費する機器を総称していう。発電機、電源、電池など電気を発生させるものに対することばであり、需要ともよばれる。負荷は機器種別、電気的特性、供給条件などによっていろいろに分類される。機器種別では電灯負荷、電動機負荷、アーク炉負荷などに大別される。電灯負荷には白熱電灯、蛍光灯、水銀灯などが含まれる。電動機負荷にはクーラー、洗濯機、冷蔵庫、ポンプ、エレベーター、ベルトコンベヤーなど多種多様な機器が含まれ、負荷の大半を占める。アーク炉負荷はアルミニウムなど金属製錬用のアーク炉が該当する。また、消費電力が連続的であるか断続的であるかによって連続負荷と断続負荷に分類される。前者には電灯負荷、ポンプ、ベルトコンベヤーなどが含まれるが、ほとんどは後者の断続負荷である。とくに、アーク炉負荷は消費電力の変動が大きく、かつ不規則であり、系統電圧の変動による近隣需要家の照明のちらつき(電圧フリッカー)を引き起こすので適当な設備対策が必要となる場合もある。
さらに、サイリスタのような半導体素子を用いて電源周波数や電圧を変換したり、電動機の速度制御を行ったりする静止型変換機器、テレビなどは、負荷電流の波形がひずみ、電力系統に高調波を流出させることから高調波発生負荷とよぶこともある。流出量、系統条件などによってはコンデンサーなど機器の過熱、焼損を生じるおそれがある。
電力系統の負荷は時間帯、季節、気候などによって時々刻々と変動するが、一般的には夏・冬に冷暖房の影響で大きく、また、1日のうちでは昼間および点灯時に大きい傾向がある。電力系統の設備はこの最大負荷に対応した容量が必要となるので、平均負荷の最大負荷に対する比率、すなわち負荷率が低いと、設備の利用率が小さくなり電気のコストが増加する。このため、電気温水器のような夜間負荷の開拓などによる負荷の平坦(へいたん)化(ロードレベリング)が進められている。
[松田高幸]
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工学用語。例えば扇風機を考えると,これはモーター(電動機)で羽根を回して風を起こすものであるが,モーターには羽根の回転に伴って発生する抵抗力が作用している。このように,機械においては,駆動する側(上の例ではモーター)に対して,抵抗を及ぼす駆動される側(回転中の羽根)を負荷という。駆動される側が及ぼす力や消費するエネルギーの大きさを指すこともあり,扇風機の場合は,回転数が高くなるとともに負荷も増大する。一方,このモーターに電気を送っている電源について見ると,電力(エネルギー)を消費しているのはモーターである。電気回路においては,電源に対して電力を消費する側を負荷という。また,消費側の電気抵抗や消費電力の大きさを負荷ということもある。
執筆者:中島 尚正
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…ストレスは元来は機械工学的な用語で,物体を圧縮したり引き伸ばしたりしたときにその物体に生じる〈ひずみ〉を意味するが,1936年H.セリエによってストレス学説が提唱されて以来,この語はしだいに流布し,現今では日常用語化している。その邦訳語は〈負荷〉であるが,ほとんど用いられず,外来語のまま使用されている。
[ストレス学説]
セリエは生体が外傷,中毒,寒冷,伝染病のような異なった種類の刺激にさらされた際,刺激の性格のいかんにかかわらず,ある種の一様な反応が生じる事実に注目した。…
…このほか,荷重の作用によって生ずる材料や構造物の変形により,引張荷重,圧縮荷重,曲げ荷重,ねじり荷重,せん断荷重と呼ぶこともある。なお,負荷を荷重と同義に用いる場合もある。【朝田 泰英】。…
※「負荷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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