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電動機の停止状態から定常運転まで速度を上昇させる過程に用いる装置。始動装置ともよばれる。電動機を始動させる場合、小型機であれば定格電圧を直接印加することにより始動できる。このとき、定格速度まで上昇している間は加速のためのエネルギーが必要であり、通常運転より電流が大きい。これを始動電流という。中・大型電動機の場合、始動電流が大きすぎるので始動器により電流を抑制する。電動機の形式により始動器の方式・機構は異なる。
かご形三相誘導電動機の場合、始動器を使った始動方式には、巻線を切り替えるスターデルタ始動、リアクトルを直列に接続するリアクトル始動、単巻変圧器を用いるコンドルファ始動、抵抗器を接続する一次抵抗始動などがあり、それぞれの方式ごとに始動器が異なる。巻線形誘導電動機の場合には、回転子巻線に直列に抵抗が入れられる。この抵抗も始動器とよばれることがある。
直流電動機の場合、電機子に直列に入れた始動抵抗により始動電流を低下させる。速度の上昇にしたがい徐々に抵抗値を減らす。しかしながら、1980年代以降はチョッパ(直流電流を通電、遮断する装置)により直流電圧を制御することが多いので、始動器はあまり使われなくなっている。
[森本雅之]
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