分布図(読み)ぶんぷず(その他表記)distribution map

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分布図」の意味・わかりやすい解説

分布図
ぶんぷず
distribution map

自然事象や人文事象の配置や範囲などを表わした主題図。所在位置やその範囲に重点おき,その事象の実在的分布の固有のパターンを観察しうるとともに,表現対象の土地に対する属性もわかる。一般的には水平的な分布現象を表わしたものであるが,分布事象の性質によっては海岸から高山にいたるまでの垂直分布を示すもの,土地利用図のような定性的な内容を表わしたもの,人口分布図のような定量的な内容を表わしたもの,それらを総合した規模別業種別工場分布図などがある。分布図は,言語地理学において方言分布図から言語分布と先住民の移動経路を調べるといった場合の基本的な調査手段である。 1854年のロンドンコレラ大流行のとき,死亡者発生場所の分布図から最頻発地を突止め,その中心部の井戸を使用できないようにして劇的にコレラの流行を終らせた J.スノウのエピソードは地図史上で名高い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む