分離脳(読み)ぶんりのう(その他表記)split brain

改訂新版 世界大百科事典 「分離脳」の意味・わかりやすい解説

分離脳 (ぶんりのう)
split brain

ヒト大脳は左大脳半球(これを左脳という)と右大脳半球(これを右脳という)からなりたっており,この二つは約2億本の神経繊維で連絡されている。これらの神経繊維は,脳梁,前交連,海馬交連と呼ばれるいくつかの神経繊維束を形成している。1940年代の末から,重症てんかんの治療として,脳梁を切断する手術が行われはじめ,60年代の初めには,脳梁のみならず,前交連や海馬交連も一度で切断する手術が行われた。このような手術をうけた患者の脳では,左大脳半球と右大脳半球の連絡が断たれる。このような脳を分離脳という。

 分離脳では,左大脳半球と右大脳半球がそれぞれどのような精神機能を営んでいるかを検査できるので,脳と心の問題の解明に大きな貢献をもたらした。この方面の研究を行ったスペリーRoger Wolcott Sperry(1913-94)に81年度ノーベル医学・生理学賞が授与された。彼らの研究によれば,左大脳半球は言語機能に優れており,右大脳半球は空間的機能に優れているという。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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