制銭(読み)せいせん(その他表記)Zhi-qian; Chih-ch`ien

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「制銭」の意味・わかりやすい解説

制銭
せいせん
Zhi-qian; Chih-ch`ien

中国,明代後期から清代を通じて使用された銅銭総称。中国では古くから銅銭が正貨として用いられ,王朝政府が直接鋳造にあたったが,このような政府鋳造の銅銭を明の嘉靖年間 (1522~66) 頃から制銭と呼ぶようになった。宝源局,宝泉局などが鋳造にあたり,材料には真鍮が使用された。1文の重量は 4.5~4.9g。

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普及版 字通 「制銭」の読み・字形・画数・意味

【制銭】せいせん

官銭

字通「制」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の制銭の言及

【明銭】より

…明の太祖は即位前1361年(元の至正21)大中通宝を,即位後68年(洪武1)洪武通宝を鋳造した。以後歴代その年号を付した銅銭(制銭という)を鋳造,16世紀初期の武宗の正徳まで9号の鋳銭があったというが,実際は洪武,永楽(1408(成祖永楽6)鋳造),宣徳(1433(宣宗宣徳8)),弘治(1503(孝宗弘治16))の4通宝がみられるのみである。その後に嘉靖(1527(世宗嘉靖6)),隆慶(1570(穆宗隆慶4)),万暦(1576(神宗万暦4))の各通宝,さらに1621年(熹宗天啓1)短命の先代光宗の年号を付した泰昌通宝を補鋳,また天啓通宝を鋳造,毅宗は28年(崇禎1)崇禎通宝を,44年明朝滅亡後も南明の歴代は弘光,隆武,永暦の各通宝を鋳造した。…

【両替】より

…現在,両替で最も重要なものは貿易決済に伴う外国通貨との両替である。【山口 徹】
【中国】
 中国では漢から清まで鋳貨は銅銭が主体で制銭と称し,補助貨幣として金,砂金,銀,水銀,絹が用いられ,宋からは紙幣や証券が行われ,しかも都市間商業は古くから発達していたから,両替業の起源も古いに相違ない。しかし明確な両替制度が整うのは商業革命期の唐・宋時代である。…

※「制銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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