制限核戦争(読み)せいげんかくせんそう(その他表記)limited nuclear warfare

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「制限核戦争」の意味・わかりやすい解説

制限核戦争
せいげんかくせんそう
limited nuclear warfare

核戦略用語で,核兵器を用いた制限戦争。アメリカの H.キッシンジャーが 1957年に『核兵器と外交政策』のなかで,局地ないし地域的侵略を排除するために地域,目標および核兵器の大きさを制限する核戦争論を主張し,大量報復を批判した頃から注目を浴びるようになった戦略。同じ頃に,イギリス王立国際問題研究所は核兵器使用による全面核戦争への発展を防ぐために,敵側との意志疎通を重視し,共産側に戦略核兵器戦術核兵器区別を明らかに知らせるべきであると主張した。ソ連は核兵器の使用は必ず全面核戦争にまで拡大するという立場を取っていたが,68年以後,ソ連国防省刊行の『軍事戦略』から,このような主張を削除した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む