前田川村(読み)まえだがわむら

日本歴史地名大系 「前田川村」の解説

前田川村
まえだがわむら

[現在地名]須賀川市前田川・前田川扇町まえだがわおうぎまち

和田わだ村の南、阿武隈川西岸の氾濫原と北部から張出す台地に立地。阿武隈川の屈曲部に乙字おつじヶ滝があり、その断層崖乙字ヶ滝遺跡、その背後台地に横穴式石室をもつ大塚おおつか古墳がある。また付近に正慶元年(一三三二)の紀年銘と「逆修結衆三千五十人」と刻された五輪坊ごりんぼう石幢塔がある。応永一一年(一四〇四)頃と推定される国人一揆傘連判断簡(秋田藩家蔵白川文書)に「前田河 沙弥祐菊」が署名している。天正二年(一五七四)正月晦日の田村清顕書状(伊達家文書)に「前田河之小屋」がみえるが、二階堂氏を攻撃した清顕により焼払われた。「藤葉栄衰記」によれば、天正一七年前田川村半分を領した前田信濃守が上の台うえのだい館に居住していたという。中世当地の中心集落は六軒原ろつけんぱら広町ひろまちにあったとされ(白河風土記)広町に鎌倉時代後期の石造双式阿弥陀三尊来迎供養塔(県指定重要文化財)がある。

文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録に前田川とみえ、高六七八石余、蒲生五郎作ほか二名の知行地

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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