最新 地学事典 「前縁堆積盆」の解説
ぜんえんたいせきぼん
前縁堆積盆
foreland basin
大型山脈の前面にあたる大陸縁辺で生じた,地殻のたわみによって形成された,細長い凹地状の堆積盆地。衝突するプレート境界で生じたスラスト上盤の地塊の負荷や,山脈の侵食によって生じた砕屑物の荷重によって,スラスト下盤側の地殻が緩やかに屈曲・沈降し,山脈に沿ったトラフ型の形態が生じ,堆積盆地となったもの。盆地の沈降量は山脈近傍において大きく,山脈から離れるにつれて小さくなるとされる。堆積物は浅海・河川成の砂・礫などの粗粒砕屑物によって占められるが,山脈から離れると細粒化する。一方,堆積物全体では上方粗粒化・上方厚層化することが多く,累進的な山脈の削剥を示すと解釈される。地向斜造山論では前陸盆地(foredeep, fore-deep)やモラッセ堆積盆地(molasse basin)とされた。なお,foreland basinを前陸堆積盆と訳すこともある。
執筆者:吉田 孝紀・保柳 康一
参照項目:モラッセ
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

