劇作術(読み)げきさくじゅつ(その他表記)dramaturgy

翻訳|dramaturgy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「劇作術」の意味・わかりやすい解説

劇作術
げきさくじゅつ
dramaturgy

演劇理論の一種で,特に戯曲の書き方,すなわち主題の選択,筋の組立て,登場人物の性格づけ,せりふの文体などの具体的な問題にかかわるものをさす。イギリスの劇評家 W.アーチャーの『劇作法』 (1912) はその一例。劇作術はとかく技術的なものと解されるが,実際には演劇理論一般と切り離せない。したがって,アリストテレスの『詩学』,古典主義をふまえた J.ドライデンの『劇詩論』,リアリズムを重視する G.B.ショーの諸著作,叙事演劇を唱える B.ブレヒトの諸著作など,代表的な演劇理論書は,すべて劇作術の書でもある。

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改訂新版 世界大百科事典 「劇作術」の意味・わかりやすい解説

劇作術 (げきさくじゅつ)

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世界大百科事典(旧版)内の劇作術の言及

【演劇】より

…また,ギリシア語語源からすればテアトロンと並んで重要であり,同じく部分で全体を表すことになるギリシア語drama(ドラマ。行動の意)は,英語drama(ドラマ)では筋と登場人物をもつ舞台表現を広く指すが(つまり演劇である),フランス語でdrame(ドラム)といえば,作品の内容を指すか,18世紀にディドロが主張した市民劇に発する19世紀ロマン派以降の劇作術上の一ジャンルを指す(ただし形容詞のdramatiqueはより広く用いうる)。日本語の文脈で用いる〈ドラマ〉は英語のdramaである。…

【ドラマトゥルギー】より

…広くは演劇観一般を意味し,狭くは具体的な劇作法・劇作術をさす言葉であるが,これが一つの術語として確立していることが,演劇という芸術の本質的な一面を暗示しているといえる。現代語には文学観の全体を示す〈詩学poetics,Poetik(ドイツ語)〉という言葉はあるが,個々のジャンルについて,たとえば抒情詩観を一語で表す成語はないし,小説作法を意味する単独の術語もないからである。…

※「劇作術」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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