加賀美村(読み)かがみむら

日本歴史地名大系 「加賀美村」の解説

加賀美村
かがみむら

[現在地名]若草町加賀美

十日市場とおかいちば村の南東御勅使みだい川扇状地先端の釜無川および滝沢たきざわ川の氾濫原の平坦地に立地。南は田島たじま(現甲西町)。南西境を滝沢川が南東流する。加賀見とも記す(宝暦六年版三郡村高帳)。「一蓮寺過去帳」には宝徳(一四四九―五二)頃と推定される供養者の作阿弥陀仏などに「加々美」と注記される。「王代記」によると明応七年(一四九八)八月二四日、甲斐を襲った地震で「カヽミ」が崩れたとある。永禄一二年(一五六九)一一月五日、法善ほうぜん寺の子院福寿ふくじゆ院は、武田氏より「加賀美之内僕壱人家一、棟別役」などを免許されている(「武田家印判状」法善寺文書)。法善寺は「鏡之寺」とも記され(天正一〇年三月六日「徳川家康禁制」同文書)、「加賀美・加賀美中条」ほかに寺領があった(天正一一年四月一九日「徳川家康判物写」甲斐国志)。天正一七年(一五八九)安堵された寺領はすべて「加々美郷」内であることから加賀美と鏡中条かがみなかじようを含めて加賀美郷と称したと思われる(一月二三日「伊奈忠次寺領証文」法善寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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