岩手県中西部に位置する市。2014年(平成26)滝沢村が市制施行して成立。岩手山東麓(とうろく)に位置する。JR田沢湖線、第三セクターIGRいわて銀河鉄道(旧、JR東北本線)、国道4号、46号、282号のほか、東北自動車道が通じ、滝沢インターチェンジがある。古くは南部(なんぶ)馬の放牧場であり、酪農が盛んで、小岩井農場がある。南東部では国土総合開発の一環として、岩洞(がんどう)ダム(盛岡(もりおか)市)の水を利用して850ヘクタールが開田した。国道4号沿いには林木育種センターの東北育種場、県農業研究センター畜産研究所などがある。また一本木地区には陸上自衛隊岩手駐屯所がある。特産はスイカ、リンゴ、イワナ。近年は盛岡市に隣接する住宅団地の建設が進み、人口増加が著しい。1997年(平成9)には岩手県立大学が設置された。毎年6月第2土曜日には鬼越蒼前神社(おにこしそうぜんじんじゃ)(旧、駒形神社(こまがたじんじゃ))で「ちゃぐちゃぐ馬こ」の行事があり、飾った馬を引いて盛岡市へ繰り出す行列がみられる。面積は182.46平方キロメートル、人口5万5579(2020)。
[川本忠平]
『『滝沢村誌』(1974・滝沢村)』
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岩手県中央部,盛岡市に接する岩手郡の村。人口5万3857(2010)。北部から中部にかけては岩手山(2038m)山麓およびそれからのびる丘陵地からなり,東境を北上川が南流する。東寄りを東北自動車道が縦断し,インターチェンジがある。北上川沿いを東北本線(現,IGRいわて銀河鉄道),南境の雫石(しずくいし)川沿いを田沢湖線が走る。主産業は農業で,畜産,米作が中心。集約酪農の県内の中心地で,国や県の各種農林試験機関が集中する。盛岡市に隣接するため1990-95年の間に16%の人口増加があり,南部での住宅地化が著しい。華やかな衣装をつけた多数の馬が行列する6月15日の駒形神社のチャグチャグ馬っこは全国的に知られる。
執筆者:松橋 公治
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