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…後北条氏の場合は永高と従来の貫高との比率を1対2としたが,地域によって一様ではない。太閤検地によって石高を基準とした統一的な貢租体系が実現し,江戸幕府も1608年(慶長13)に永楽銭の使用を禁止したが,永高表示や永高算用の慣行はすたれつつも残り,所によっては近代はじめまで及んでいる。貨幣納の基準としては永1貫文=金1両,石高との換算比は時期により異なるが,江戸中期以降は永高1貫文に対し1石替えに定着した。…
…この条目は延宝検地の原則をおおむね踏襲したものであり,1反を300歩とし,間竿は1間を6尺1分とした2間竿を使用すること,田畑位付けは上中下に上々,下々を加えた5段階とすることなどをはじめ,詳細な施行細目を規定したものであった。検地はこの条目に基づき,担当諸藩の手で進められたが,最終的な石盛・石高の決定については幕府がその権限を握っていたようである。検地の結果をみてみると,綿密な査検によって土地の生産力と実態が再把握された一方で,旧高に比して新検高の著しい増加がみられる。…
…土地の標準収穫量である石高を基準にして組み立てられた近世封建社会の体制原理をいう。
[貫高制との相違]
戦国大名も貫高制に基づいた検地を行い,軍役基準を定めたが,土地面積に応じた年貢賦課が原則で,どれだけの収穫量があるかについては無関心であった。…
…検地に際して田畑・屋敷地の公定収穫量(石高)を算出することをいうが,その反当り換算率すなわち斗代のことをもさす。石盛によって算定された石高に一定の率をかけて年貢・諸役が賦課されたので,石盛の高低は貢租量の多少に関係した。…
…一般には物の総数量を表すことばで,収穫高,生産高,知行高などとも使われるが,日本史の用語としては土地丈量の単位としての貫高,永高,石高などが有名で,江戸時代には〈高〉といえば普通は一定の土地の大きさを米の収穫見積量に換算して表す石高のことを意味していた。鎌倉時代以来の貫高,室町後期以来の永高の名称は,太閤検地以降石高制が施行されるに及んですたれた。…
…また近世の村はこの時代における最も重要な社会的構成単位でもあった。近世の村の特質は石高制と村請(むらうけ)制である。村内の田畑屋敷に対し,米の生産高をもって表示される石高を付するのが石高制である。…
…ちなみに,03年刊行の《日葡辞書》には,〈Menuo cô(免を請ふ).農民が主君に対して,すでにほかの人によって評価決定した土地の年貢の幾分かを免除してくれるようにと頼む〉〈Menuo yaru(免をやる).たとえば,十納めなければならなかったとすれば,その二を免じて八を納めさせるというように,免除してやる〉とある。なぜ慶長・元和期に免の意が逆転したのかということについてはいまだ不明確であって,研究上では,むしろ近世初頭における免の本来的用法に着目して,太閤検地の石高を標準収穫高とする通説批判が行われている段階にある。つまり〈めんの儀つかはし申ましき事〉などの用法は,石高=標準年貢高を暗示しているというのである。…
※「石高」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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