日本歴史地名大系 「北今西阿弥陀堂」の解説
北今西阿弥陀堂
きたいまにしあみだどう
[現在地名]野迫川村大字北今西
野迫川村の南部、北今西集落の西端にある。桁行三間・梁間三間、一重・宝形造・柿葺(現鉄板葺)の堂(県指定文化財)。大正期の修理の際「天正廿年正月之ヲ建ツ」という棟札が発見され、桃山期の作例と考えられるが、一八世紀前半頃に改造されたようである。毎年一月四日に阿弥陀堂で行われるオコナイ(県指定無形民俗文化財)は、初めて堂入りした若者(ドウトウ)を中心に行われる。ホラ貝を合図に村人が阿弥陀堂に集まり、ゴーサン(牛玉宝印)を挟んだアワギの棒を持って須弥壇をめぐる宝印カツギ、昔からの行事関係者の名を記したトウブンの読上げ、参拝者一同による祈祷、内陣のヌキにかけた大きなカズラの輪を振切るカズラ切り、ソヨナ(謡譜)のウタヨミ、供物のタテモチのセリウリなどが行われる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報