一重(読み)ヒトエ

デジタル大辞泉 「一重」の意味・読み・例文・類語

ひと‐え〔‐ヘ〕【一重/単】

そのものだけであること。重ならないであること。「唐紙―を隔てた隣室」「紙―」
花びらが重なっていないこと。単弁。「―の椿つばき
一重まぶた」の略。
単物ひとえもの」に同じ。「―の着物 夏》松籟しょうらいに―のえりをかき合はす/みどり女」⇔あわせ
単衣ひとえぎぬ」の略。
[補説]4は「単衣」とも書く。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一重」の意味・読み・例文・類語

いち‐じゅう ‥ヂュウ【一重】

[1] 〘名〙
重箱、また塔などのように重なったものの、ひとかさね。ひとえ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② (形動) ひときわ程度のはなはだしいこと。一段ときわだっているさま。
※貞享版沙石集(1283)四「まづ世間の名利をすつる、一重の妄苦をはなるるはじめなり」
[2] 〘副〙 いっそう。一段と。
※玉塵抄(1563)三一「一重上(うえ)を坡が云たぞ」

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