医療特別手当(読み)いりょうとくべつてあて

日本大百科全書(ニッポニカ) 「医療特別手当」の意味・わかりやすい解説

医療特別手当
いりょうとくべつてあて

原子爆弾によって被爆し、認定を受けた疾病けがの治療などを現在も継続している被爆者に対して、原爆被爆者援護法(「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」平成6年法律第117号)に基づいて支給される医療費補助の一つ。医師の診断書をもとに、疾病やけがが治るまで毎月一定額が支給されることになっており、現況に関する定期的な届け出(3年に一度)が義務づけられている。治ったあとは、支給額の少ない特別手当に切り替わる。厚生労働省が通知によって支給条件である要医療性を明確にするよう厳格化を指示したこともあって、更新を申請しても認められないケースが増えた。また、都道府県によって審査結果にばらつきのあることが指摘されている。そのため、同省は各自治体に対して、適切な審査を行い、場合によっては審査結果を見直すよう要請した。申請を認められなかった被爆者は、厚生労働省に対して不服を申し立てることができる。

[編集部 2016年5月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android