医療給付(読み)いりょうきゅうふ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「医療給付」の意味・わかりやすい解説

医療給付
いりょうきゅうふ

保険者(保険会社、健康保険組合自治体など)との契約条件に基づいて被保険者が受ける保険給付のうち、医療に関連した給付。給付を受ける方法には受領委任払いと償還払いの二つがあり、保険契約を結んでいる被保険者が、医療機関の窓口などで、診療などにより発生した医療費のうちの患者負担分(3割など)を支払う方法が受領委任払いである。これに対して自らが受けた医療サービスに対してまず全額をサービス提供者に支払い、あとから保険者に請求を行って償還を受ける償還払い給付がある。その意味では、医療費が限度額を超えて高額になった場合にあとから払い戻しを受ける高額療養費も、償還払い給付の一つである。

 介護サービスを利用した場合も同様で、まずサービスにかかる費用全額を介護施設や事業者に支払い、公的介護保険の運営主体に対して請求し支給を受けるのが償還払いである。自治体によっては、とくに高齢の利用者の便宜を図るため、償還払いが基本となることの多い福祉用具の購入などについても、受領委任払いを適用しているケースもある。

[編集部 2017年2月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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