十分一役所跡(読み)じゆうぶいちやくしよあと

日本歴史地名大系 「十分一役所跡」の解説

十分一役所跡
じゆうぶいちやくしよあと

[現在地名]雄勝町上院内 長倉

院内銀山いんないぎんざん町の入口、上院内かみいんない村の支郷長倉ながくら村に置かれ、十分一役(入役)を徴収した。鉱山至宝要録に「山中売物、諸色共に受持する事なく、何にても山中へ入品々にて、其代銀の十ケ一を取てうらする事也」とあり、銀山で販売される物にはすべて十分の一の物品税が課せられた。十分一役は開坑当時の間歩運上を除けば、諸運上中の首位を占めている。

また諸品出入の監視の役目をも持ち、「梅津政景日記」慶長一七年(一六一二)七月一七日条によれば「ふいこ・つち・たかね・かつさひ・はさみ・さし候刀・脇指」などの山への持ち込みを禁じ、十分一役所に留め置かせた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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