最新 地学事典 「十津川災害」の解説
とつかわさいがい
十津川災害
Totsukawa hazard
紀伊半島中央部,奈良県吉野郡十津川村を中心とした1889年8月18~19日の豪雨による災害。四国を約20km/hで北上する台風によって紀伊半島中部の日雨量は1,000mmを超え,20~21日を中心に崩壊が多数発生し,大規模な崩壊は1,200ヵ所以上,なかでも土量が106m3以上の崩壊は少なくとも11ヵ所,犠牲者は245名に及んだ。十津川の本支流に突入した崩壊土砂は53の天然ダムを形成したが,一つを残してすべて決壊し,下流域に洪水の二次災害をもたらし,十津川は以後荒廃河川となった。当時の状況は『吉野郡水災誌』(全11巻)に詳しい。このとき,一部の十津川村民が北海道に渡り,新十津川村(現在は町)を建設した。参考文献:巨智吉野郡役所(1891) 吉野郡水災誌
執筆者:藤田 崇
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

