十津川(読み)とつかわ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

十津川
とつかわ

奈良県南部の川。熊野川上流大峰山脈山上ヶ岳に源を発する天ノ川を上流とし,吉野山地を穿入蛇行しながらほぼ南流和歌山県に入って熊野川となる。第2次世界大戦後,吉野熊野総合開発計画の一環として,猿谷,風屋,二津野の各ダムが完成,猿谷ダムの水を紀ノ川に分流する流域変更も行われた。河谷に沿って奈良県五條市和歌山県新宮市を結ぶ国道 168号線が開通,かつての筏流しによる木材流送は,トラック輸送に代った。国道開通まで流域は隔絶された山村であったため,独特の言語風俗が残っている。流域に湯泉地 (とうせんじ) ,十津川などの温泉がある。

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デジタル大辞泉の解説

とつ‐がわ〔‐がは〕【十津川】

奈良県南部を流れる川。上流は山上ケ岳付近に源を発する天(てん)ノ川で、南流して和歌山県に入り熊野川となる。

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世界大百科事典 第2版の解説

とつかわ【十津川】

奈良県南部,紀伊山地の山上ヶ岳(1719m)に源を発し,曲流しつつ大塔(おおとう)村,十津川村をほぼ南流し,和歌山県熊野川町と三重県紀和町との境付近で北山川と合流して熊野川となり,熊野灘に注ぐ。長さ約110km。上流部は天(てん)ノ川とも呼ばれる。大塔村,十津川村では穿入(せんにゆう)蛇行して深いV字谷を刻んでいるが,両岸の河岸段丘上に狭小な耕地と集落が立地する。1889年8月の大水害によって河床が上昇し,現在では広い河原がみられる。

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大辞林 第三版の解説

とつがわ【十津川】

奈良県南部、吉野山地を流れる川。上流は天てん川、下流は熊野川。山上ヶ岳に源を発し、深い峡谷の中、蛇行を繰り返し、十津川郷を貫流して和歌山県に入り、熊野灘に注ぐ。長さ110キロメートル。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔奈良県(和歌山県)〕十津川(とつかわ)


奈良県南部から和歌山県南部へ流れる1級河川・熊野川(新宮川水系)の本流の別称。⇒熊野川(くまのがわ)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

十津川
とつがわ

奈良県南部を流れる川。上流は大峰(おおみね)山脈の山上(さんじょう)ヶ岳付近に源を発する天ノ川(てんのかわ)で、西流して五條(ごじょう)市大塔(おおとう)町地区に入って流路を南に転じ、猿谷(さるたに)ダムを経て同町辻堂(つじどう)で十津川となる。大峰山脈と伯母子(おばこ)山地との間を嵌入蛇行(かんにゅうだこう)してV字谷をつくり、舟(ふな)ノ川、川原樋(かわらひ)川、旭(あさひ)川、神納(かんの)川などをあわせ、十津川(とつかわ)村を南流して和歌山県に入り熊野川となり、新宮(しんぐう)市で熊野灘(なだ)に注ぐ。延長約114キロメートル。沿岸の所々に緩傾斜地が開け、畑地と集落が点在する。第二次世界大戦後、電源開発事業によって猿谷、風屋(かざや)、二津野(ふたつの)の3ダムがつくられた。川沿いに通ずる西熊野街道は、五條市と新宮市を結ぶ国道168号となった。[菊地一郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

とつ‐がわ ‥がは【十津川】

(「とつかわ」とも)
[一] 奈良県南部を流れる川。大峰山脈山上ケ岳の南側に発し、曲流して和歌山県にはいり、北山川と合流して熊野川となる。猿谷ダム付近から上流は彌山川または天ノ川と呼ばれる。長さ約一一〇キロメートル。
[二] 奈良県南端部の地名。紀伊山地の十津川流域にある。上代から中世にかけて山岳武士の集団があり、近世には十津川郷士が成立した。
平家(13C前)四「吉野・とつかはの勢ども馳集て」

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