日本大百科全書(ニッポニカ) 「十竹斎書画譜」の意味・わかりやすい解説 十竹斎書画譜じっちくさいしょがふ 中国、明(みん)末(17世紀前期)に刊行された木版多色刷りの画譜。十竹斎と号した胡正言(こせいげん)(字(あざな)は日従)が自らの模した先人の花卉翎毛(かきれいもう)(鳥獣)などを編したもので、明清(しん)時代に通行した重要な画譜の一つ。花卉翎毛を取り混ぜて載せる書画譜のほか、果譜、翎毛譜、墨花譜、蘭(らん)譜、竹譜、梅譜、石譜など八譜よりなる。蘭譜を除いて、他譜は画の次に先人の題詩を載せ、画とともに書を交互に収めている。その色調、墨刷りの濃淡に優れ、清代の『芥子園(かいしえん)画伝』とともに、日本の浮世絵版画の技法に影響を与えた。[星山晋也] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例