千葉郷(読み)ちばごう

日本歴史地名大系 「千葉郷」の解説

千葉郷
ちばごう

和名抄」所載の郷で、同書高山寺本など諸本とも訓を欠くが、名博本では千葉郡にチハと訓を付される。郷名より千葉郡家が置かれた郷とされるが未詳。現大網白里おおあみしらさと町の南麦台みなみむぎだい遺跡の九世紀中頃の住居跡から出土した石製紡錘車刻書銘に「下総国千葉郡千葉郷」とみえる。「吾妻鏡」文治二年(一一八六)三月一二日条に千葉庄とみえるのをはじめ、史料上たんに千葉とある例を含め、千葉郡のほぼ全域をさす場合と、郡内の限られた地域を千葉と称している場合があり、こうした後代の地名所見より古代の千葉郷の比定地を想定するのは困難である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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