日本歴史地名大系 「千葉郡」の解説
千葉郡
ちばぐん
- 千葉県:下総国
- 千葉郡
〔古代〕
律令期以前千葉国造の原形ともいえる勢力が郡域内に所在したと考えることができる。千葉市域には弥生時代後期―古墳時代前期の集落遺跡も多く、とくに弥生後期には北関東系または南関東系の土器、臼井南式の土器などが錯綜する地域ともなっている。市街化が早かったためもあり、当地域の沿岸部の古墳の実態については不明点も多いが、郡域南端部の
千葉国造は「国造本紀」に記載がなく、延暦二四年(八〇五)に千葉国造大私部直善人が外従五位下を与えられたということから(「日本後紀」同年一〇月八日条)、その存在が推定されている。のちの下総国域では三国造あったうちの一つである。その出自は明らかでないが、蘇我氏との結びつきも指摘されており、千葉国造大私部直は六世紀末頃から大后の名代である私部を在地で統括していたとみられる。郡内
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報