大学事典 「卒業研究」の解説
卒業研究
そつぎょうけんきゅう
thesis study
理工系学部で,通常,4年生になると研究室に配属されて行う研究実験のこと。これは学生実験と本質的に異なり,自然界における新しい現象の発見や新技術の開発に指導教員とともに挑戦するものである。現在,研究実験の多くが大学院生や博士研究員によって担われているが,学士課程学生(大学により3年次から配属される場合もある)もこれに参加して研究実験を行う。各研究室の指導教員と相談の上,課題を決め,随時議論しながら実験を遂行する。研究が終われば学会や学術雑誌に発表し,学生は貢献度があれば共著者となる。このように卒業研究は,カリキュラム上は一つの科目であり,各学生の卒業研究として単位化されるものであるが,大学の機能の一つである研究活動として位置づけることができる。学士課程学生の研究実験への参加の制度化は日本の大学の大きな特徴の一つであり,アメリカ合衆国の大学の学士課程では,研究への参加(日本でいう卒業研究)は必修化されていない場合も少なくない。
著者: 赤羽良一
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報