南塩屋浦
みなみしおやうら
[現在地名]御坊市塩屋町南塩屋
王子川を挟んで北塩屋浦に対し、東に枝郷森岡村がある。西は紀伊水道に面し、尾ノ崎の西方海上二千メートルに鰹島という岩礁がある。字鳥居縄手から土師器・須恵器・製塩土器片が採取されたが、遺跡の詳細については不明。
北塩屋浦とともに薗財庄に含まれ、建暦二年(一二一二)二月日付の後鳥羽院庁下文(熊野速玉大社古文書古記録)に記す園宝郷四至の南限富島は当浦に比定される。「兵範記」仁平二年(一一五二)四月一四日条によると、同年三月から四月にかけて鳥羽院の熊野詣があり、下向の途中、先達の実賢法橋が苦しみだし、富島宿以降、危篤状態となったという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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