南羽鳥村(読み)みなみはどりむら

日本歴史地名大系 「南羽鳥村」の解説

南羽鳥村
みなみはどりむら

[現在地名]成田市南羽鳥

長沼ながぬま村の北西に位置し、西は麻生あそう(現栄町)。もとは北羽鳥村とともに羽鳥郷と称され、「和名抄」に記載される埴生はぶ酢取すとり郷はその誤記とする説がある。地名は古代服部が居住していたことによるといい(下総国旧事考)、周辺の棚機たなばた神社や調布井ぬのさらしはその遺跡とされる。金沢文庫蔵の「法華玄義抄」奥書に徳治三年(一三〇八)正月一八日付で埴生庄羽鳥郷とみえ、同郷で性円が同書を執筆したことがわかる。性円は延慶二年(一三〇九)二月四日にも羽鳥郷で「法華疎記抄」を執筆しており(「法華疎記抄奥書」金沢文庫文書)、金沢称名寺との結び付きが知られる。四月五日の如賢書状(同文書)には「成田御百姓并羽鳥大御田作人」とみえ、同寺領があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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