南蛮吹(読み)なんばんぶき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「南蛮吹」の意味・わかりやすい解説

南蛮吹
なんばんぶき

銀を含有する粗銅から銀を分離する精錬法。南蛮絞(しぼり)ともいう。大坂の豪商住友家の祖政友(まさとも)の義兄である蘇我理右衛門(そがりえもん)が1591年(天正19)ごろ泉州堺(さかい)で、銀を抜く新技術(南蛮吹)を南蛮人から伝授されたといわれる。銀を含む粗銅に鉛を加えて溶かし合わせ(吹銅)、銅と鉛の溶解度比重の差を利用して銀を含んだ鉛を分離する(南蛮吹)。さらに灰吹法により含銀鉛から銀だけを分離して取り出すという方法である。住友家が編集発行した『鼓銅図録(こどうずろく)』(1804ころ)に詳しく述べられている。

内田 謙]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android